「虹色のあした(24)」 「ホモ試し」で学生処分

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photo credit: 20140308_DSC1213.jpg via photopin (license)

 
「肝試しホモ試し」と題して、同志社大学のイベントサークルが8月上旬、同性愛者が集う場所に潜入するイベントを企画し、インターネット上で公表。参加を呼びかけていました。

普段からパーティなどを企画していたサークルで、今回も季節柄、何げなく思いついたのでしょう。しかし彼らの予想に反して、「同性愛者差別では」という批判が多く寄せられ、大学は「人権侵害に当たる」としてサークルの団体登録を抹消。「このようなことが二度と起きないよう指導を徹底する」としており、学生側はブログ上で謝罪する事態となりました。

批判が寄せられた背景の一つに、2000年に東京で起きた「夢の島殺人事件」があります。中高生が「ホモは警察に届けないから」と、小遣い欲しさに男性同性愛者を襲撃した痛ましい事件です。今回の「肝試し」も、同性愛者の弱みに付け込んでいると指摘されたのです。

このニュース、実は複雑な思いで見ていました。無邪気にイベントを企画した学生にも問題がありますが、そもそもLGBTに関する知識を学ぶ機会もなく、周りに当事者もいなければ、人権意識を持つことは難しいでしょう。処分をして終わり、では根本的な解決になりません。

LGBTや多様な性に関する正しい知識と理解をはぐくむ教育の重要性を、改めて痛感した出来事でした。

(西日本新聞 2014年8月30日掲載/小嵒ローマ)