皆さんこんにちは。
Rainbow Soup代表の五十嵐です。
5月に行いました、福岡県への要望書提出についてご報告します。

↑(写真左から)呼びかけ人の三浦暢久(NPO法人カラフルチェンジラボ代表理事)さんと、福岡県の小川洋知事。

5月12日、福岡を拠点に活動するLGBT関連団体11団体の連名で、福岡県知事宛に「新型コロナウイルス感染症対策等、性的マイノリティ支援に関する要望書」を提出しました。呼びかけ人は、NPO法人カラフルチェンジラボ代表の三浦さんです。

主な要望内容は、以下の通りです。
1. 新型コロナウイルス感染症対策における人権保障
2. 福岡県のビジョンの明確化
3. パートナーシップ制度の導入
4. 専門相談窓口の設置および拡充
5. 教育現場における施策
6. 災害時の性的マイノリティの権利保障
7. 啓発活動の拡充
8. 意見交換会の実施

知事宛に提出した要望書のPDFはこちらです。
各項目に詳細を加えた要望書のPDFはこちらです。
※公表の許可はいただいています。地域の要望書提出などの機会があればぜひ活用してください。その際にはご一報いただけると助かります。

今回、参加した団体は以下の皆さんです。
(要望書掲載順・団体名の後の地名は活動拠点)
久留米LGBTQ当事者交流会からふるの輪(久留米市)
STARS(田川市)
GID Link(大野城市)
LGBTQ支援任意団体 I’m me(北九州市)
NPO法人カラフルチェンジラボ(福岡市)
福岡コミュニティセンターHACO(福岡市)
●NPO法人Rainbow Soup(福岡市)
FRENS(福岡市)
LGBTの家族と友人をつなぐ会in福岡(福岡市)
LGBTとともに生きる弁護士の会・九州(福岡市)
一般社団法人gid.jp日本性同一性障害と共に生きる人々の会・九州支部(福岡市)

↑ソーシャルディスタンスを保ちながら、要望書提出の記念撮影。今後このスタイルがニューノーマル、となるのでしょうか。

当日提出の場に参加した各団体の方々からも、知事への要望を直接伝える時間がありました。

当日参加してくださったのは、NPO法人カラフルチェンジラボ代表の三浦さんの他、FRENSの小野杏理さん、gid.jp日本性同一性障害とともに生きる人々の会九州支部長の黒部美咲さん、LGBTと共に生きる弁護士の会・九州代表の石井謙一さん、そして福岡県議会議員の高橋雅成さんです。今回の要望書提出のきっかけを作ってくださったのは、高橋議員でした。ありがとうございました!

STARS代表の金澤絵里奈さんと弊会代表の五十嵐は遠方のため、オンラインで要望書提出の場に参加。オンライン上から知事へ向けた要望をそれぞれお伝えすることができました。コロナ禍だからこそのやりとり、かもしれませんが、事情があって現場に行けない時なども考えれば、今後はこのような方法が定着すると良いですね。

小川知事からは、
「感染経路の聞き取り調査等の際には、改めて本人の意向を尊重し、LGBTの皆さんが不安に思っているような「意図しないカミングアウト」とならないよう、現場で対応にあたる職員に、皆様の声をしっかりと伝えます」(福岡県HPより)というコメントをいただきました。

※福岡県の公式HPでも、今回の要望書提出について掲載されています。
LGBTアライアンス福岡による「新型コロナウイルス感染症対策等、性的マイノリティ支援に関する要望書」の提出について(2020.5.11)
LGBTアライアンス福岡から「新型コロナウイルス感染症対策等、性的マイノリティ支援に関する要望書」が提出されました(2020.5.12)

今回の要望書提出については、今年の2月頃に三浦さんから呼びかけがあり、各団体に寄せられるLGBT当事者の声などを踏まえながら、数ヶ月にわたって団体同士で話し合いを積み重ね、さらにコロナ禍における状況も加えつつ、要望書の内容をまとめていきました。

実は、福岡に拠点をおくLGBT関連団体が連名で自治体に要望書を提出するのは、これが初めてではありません。2017年11月、福岡市に対して、当時は8団体の連名で要望書を提出しています。この時も、団体で意見交換しながら、要望内容をまとめています。後に、福岡市として「性的マイノリティ支援事業」が正式に決定し、パートナーシップ宣誓制度、交流会、電話相談、啓発活動などの施策実現につながりました。

福岡市はそうして具体的なスタートを切りましたが、かねてから施策のない自治体との格差、学校教職員に対する啓発施策の濃淡などについて、団体同士のコミュニケーションの中でも課題として話題に上がっていました。高橋議員と三浦さんからの提案を受け、最近では都道府県単位の関連施策の事例が出てきていることもあり、福岡県へも要望を出す必要があるね、という団体同士のコンセンサスはとてもスムーズでした。

しかも8団体から11団体に増えた、というのは、地域に根差して活動するグループが増えてきたということでもあり、仲間が増えることは本当に嬉しく心強い思いです。

要望書提出に向けた準備と調整に奔走してくださった高橋議員、NPO法人カラフルチェンジラボの三浦さん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

要望書提出、で終わらずに、今後の福岡県の動きについて引き続き注視していきたいと思っています。