「虹色のあした(14)」 肯定的言葉、どの子にも

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photo credit: Daniel Kulinski via photopin cc
 
文部科学省が、全国の小中高校を対象に、心と体の性が一致しない「性同一性障害」に関する実態調査を実施し、先日その結果を発表しました。
調査結果によると、昨年度、性別違和を感じて学校に相談した児童生徒が全国に606人いることが判明。そのうち制服やトイレなど、学校側が何らかの配慮をしているのは約6割というものでした。
文科省として初の調査であり、全国の教職員の意識が変わるきっかけになるのでは…と期待する一方で、実は複雑な思いもあります。
私自身は性自認も性的指向も女性です。レズビアンであることを選んだわけではなく、気がついたらそうでした。あくまで「指向」であり「嗜好」ではありません。日本語ってややこしい。
性同一性障害の方々と同様、「周りの人と違う」「自分は変なんだ」と自己否定感や葛藤に苦しみ続けてきました。ただ、制服やトイレ、水泳の授業などで、深刻な違和感を抱いた経験はないという点は、大きな違いでしょう。
性同一性障害と同性愛では、抱えている課題は異なります。それでも周りの教職員や大人には「そのままでいいんだよ」というポジティブなメッセージを、どの子にも伝えてほしいのです。
今回の調査で、同性愛者や両性愛者をはじめ、性同一性障害の範囲外にいる子どもたちへの配慮が薄くなりはしないかと、少し気がかりです。
(西日本新聞 2014年6月21日掲載/小嵒ローマ)