西日本新聞記者・新西 ましほさん(後編)
インタビューもいよいよ終盤。
福岡の関連団体に取り組んでほしいこと、そして記者として今後どう関わっていきたいか、真剣な気持ちを語ってくれました。
【前編】当事者の体験を聞いて「確かにそうだ」と共感
【中編】マスコミが「流行」のように扱っていないだろうか
(2013年10月31日 福岡市内にて/聞き手:小嵒ローマ)
みんなが生きやすい社会になってほしいから
ー残念な話題が続いているので、何か明るい話題にしませんか(笑)。
そうですね(笑)。最近は福岡でも交流会やイベントを開催するグループが増えてきて、とてもいいことだと思っています。
ー関連団体で一堂に集まって、ワイワイやってみたいですね。知り合うだけでできることっていっぱいありそうだし。
リンクするようなテーマは多いですからね。
ー福岡でやった方がいいと思います?
まだ繋がっていない所もあるみたいですし、各団体の活動交流や、目指しているもの、求めているものを情報交換したら、一緒にできる部分が見えてくるかもしれませんね。
ーじゃあその際にはぜひ参加を(笑)。横に繋がって情報交換をした先に「じゃあ一緒に、市議会議員、県議会議員に会いに行きましょう」という流れもありえますよね。
それは大きいですよ。何か要望書を出したり、行動することで、議員も「何かやらなきゃ」と動かざるを得ない。他の自治体で人権宣言などを出しているんですから、「じゃあ福岡でもやらないと」という流れになる可能性だってある。
ーやはり、他の自治体の動きは気になるんですね。
他の自治体がやっている取り組みには注目していて、良いものは積極的に取り入れる姿勢がありますね。
東京・文京区と多摩市の条例については、どういう流れで条例が誕生したかを参考に、福岡の行政に働きかけてみる価値はあると思います。
ーなるほど。それをまた、記事にしていただいて。
記事になれば、一般の方にも浸透していきます。
ーかつて尊敬する弁護士から、「問題があるなら、それを浮上させなさい」と言われたことがあります。国内外の動きがある今は、理解を広げるチャンスでしょうね。
LGBTの方に限らず、色んな人が色んな生き方を選べる社会になったらいいのですが、性別役割分業がまだまだ残っていて、生きづらさを感じている人はたくさんいます。
「男らしく」「女らしく」とか、「専業主婦はこうあるべき」とか、男性が家庭の仕事をやっていれば「男性は働け」とか。男女逆でもいいじゃない、って思うんですけどね。
ー多様性を認めない人は、少なくないですよね。
だからさまざまな生き方について、少しでも多くの記事を書いていきたいんです。「当たり前」の事じゃないから記事に書いているんです。
もう書かなくてもいいような状況になるのが、一番望ましいんでしょうね。LGBTや同性婚がニュースにもならないような、当たり前の事になればいいなぁと思っています。アメリカでの留学時代、当たり前のようにドラマや実生活にゲイの人がいましたから。日本はまだまだこれからかもしれませんが…。
ーそうした思いから、積極的に取り上げてくださっているんですね。これからもご活躍を期待しています。今日はどうもありがとうございました。
【今回の記事に関するお薦めのDVD】
新西さんが実際に観ていたというアメリカのTVドラマがこちら。
日本でも一大ブームを巻き起こした「セックス・アンド・ザ・シティ」。
主人公の親友役として、ゲイの男性が登場します。
ついでにもう一つ。
私、小嵒ローマが大好きなTVドラマ、「glee / グリー」。
放映開始と同時に全米で大ブームを記録。高校合唱部を舞台に冴えない部員たちがコンテスト出場に向けて奮闘する姿を描いており、登場人物にゲイやレズビアンが登場します。
彼らがクラスメートからいじめられる場面もありますが、教師や仲間に励まされながらイキイキと歌う姿はとても魅力的です。
まだご覧になっていない方はぜひ!