「虹色のあした(21)」 ゲイだから友達になる?

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photo credit: Session via photopin (license)

 
とある飲み会でのお話。メンバーは女性ばかりで、初対面の方も数人。にぎやかな会話が続いた後、ふとある方が「私、ゲイのお友達が欲しいんですよねー」とポツリ。すると「私も」「私も」と賛同者が。不思議に思ってそのわけを聞くと、「だって、話題も豊富で楽しそうだし」という答えでした。
世間一般のゲイに対するイメージはさまざまでしょうが、「おしゃれ」「面白い」「話題豊富」「クリエーティブ」という感じでしょうか。
実際、世界で活躍するデザイナーや歌手、俳優など、ゲイをカミングアウトしているクリエイターは大勢います。さらに言えば、人気が出るからといってゲイと偽る異性愛者までいるとかなんとか。
さて先ほどの飲み会にて、「じゃあ、レズビアンの友達は欲しいと思います?」と尋ねてみました。すると全員が「うーん」と言葉に詰まった後、一人が「恋愛対象になっちゃうし…」と苦笑い。「全員が恋愛対象になるわけじゃないし」とツッコミを入れたいのを抑えつつ、複雑な心境のまま、夜は更けていきました。
ゲイかレズビアンかトランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)かということが、人間関係をつくるきっかけになるものでしょうか。私自身は個性の一部のようにとらえていますが、それだけで判断されてしまうのは困ったものです。
(西日本新聞 2014年8月9日掲載/小嵒ローマ)