「虹色のあした(10)」 同性愛が罪となる国も
今年2月、アフリカ中部のウガンダで「反同性愛法」が成立しました。この国を1962年まで植民地支配していた英国は、同性間性行為を含む生殖目的以外のすべての性行為を禁じていました。独立後もこの考え方が存続し、法律の根拠となっています。
法律により、同性間の性交渉に最悪で終身刑が科せられるほか、同性愛者に家を貸したことを警察に通報しなかった者、さらに、自分の家族を同性愛者と知りながら通報しなければ処罰の対象です。
メディアや政治家は「彼らを処刑せよ」と訴え、LGBT当事者たちは家に石が投げつけられたり、襲撃されたりと過酷な迫害を受けています。彼らの状況を想像しただけで、胸が痛みます。
「遠い国のこと」「自分には関係ないし」と感じるかもしれません。私も実態を知るまでは、ウガンダの場所すら分かっていませんでした。偏見や差別でウガンダの当事者が殺されることと、いじめで死に追いやられる人がいる日本・・・。問題の根っこはつながっているように感じます。
31日午後、福岡市でウガンダの実状を描いたドキュメンタリー「コール ミー クチュ」の上映とトークイベントを開催します。ぜひ多くの方に参加していただき、深刻な人権問題であることを感じてもらえたらと願っています。詳細は私たちの会「Rainbow Soup」のホームページをご覧ください。
(西日本新聞 2014年5月24日掲載/小嵒ローマ)