「虹色のあした(11)」 自分の職場にいるかも

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人と出会い、親しくなるにつれ、困ることがあります。「彼氏は?」と聞かれれば同性パートナーを「彼氏」に変換して会話を合わせ、「結婚は?」と尋ねられたら「仕事ばかりで婚期を逃しちゃって」と苦笑いでかわします。
自分からプライベートのことを話さないので、「あの人には、その話題をふっちゃいけない」というイメージを持たれることもしばしば。会社員時代は同僚や先輩と過ごす時間が多く、私生活の話題を共有することが、仕事上のコミュニケーションにも影響していました。
現在は自営業なので、職場での人間関係に悩むことはなく、今のライフスタイルが性に合っているようです。
一方、職場で悩んでいる同性愛者や心と体の性が一致しないトランスジェンダーは少なくありません。先日、NPO法人虹色ダイバーシティ(大阪)がまとめたインターネット調査によると、当事者・非当事者の回答者約1800人のうち、当事者の7割が職場で差別的な言動を見聞きしたと回答。そうした言動は当事者の働きやすさを阻害するだけでなく、当事者以外の勤続意欲にもマイナスの影響を及ぼしていることが明らかとなりました。
当事者の受け入れ態勢づくりに積極的な企業もありますが、九州はまだまだ。「自分の会社にいるかも」という前提で、取り組みが広がってほしいものです。
(西日本新聞 2014年5月31日掲載/小嵒ローマ)