虹色のあした(4) 「結婚」の選択肢がない

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英国の人気歌手エルトン・ジョンさんが先日、20年来の男性パートナーと結婚することを発表しました。
英国の南部イングランドと西部ウェールズでは、3月に同性婚が合法化。2001年にオランダが世界に先駆けて同性婚を法的に認めて以来、今では15ヵ国で法制化されています。ちなみにアジア地域では、タイやベトナムで合法化に向けた動きが生まれています。さて、日本はどうでしょうか。
昨年3月、東京ディズニーリゾートで初めて、レズビアンのカップルが結婚式を挙げて話題となりました。挙式する同性カップル、そして挙式できる場所は国内でも少しずつ増えています。でもそれはあくまでセレモニー。日本では合法的に認められていません。
とはいえ、LGBT当事者の全員が同性婚を求めているかというと、実はそうでもないのです。「カミングアウトしていないからハードルが高い」「法律ができても結婚はしない」という人もいます。
問題なのは当事者に選択肢がないこと。LGBTであることが、人生を託せる相手とパートナーシップを結び、法的保障を受ける権利を奪われる理由にはなりません。
しかし日本では同性婚の合法化以前に、LGBTは「存在しないもの」という認識がまだまだ強い。残念ながら、議論のテーブルにすら乗っていないのが現状です。
(西日本新聞 2014年4月12日掲載/小嵒ローマ)