虹色のあした(2)   「愛」は男女間だけですか

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春の訪れとともに、街を行き交う人々のファッションも華やかになってきました。こうした服装、顔、体格など表に見える情報を総合して、皆さんは「この人は男性」「この人は女性」と判断しているのではないでしょうか。
この性別とセットなのが「男らしさ」「女らしさ」という性役割。「男は女を守るもの」「女は結婚し子どもを産むべきだ」など、性に対するさまざまなイメージがあります。
異性愛者であることが前提の社会で生きるLGBTはそのイメージに当てはまらないため「おとこおんな」「気持ち悪い」といった差別に直面します。自分を守るために異性愛者を装っても「彼女(彼)いないの?」「結婚は?」などの何げない質問を投げ掛けられ、ストレスと葛藤を感じています。
一方で、通説は時代とともに変化しています。世界保健機関(WHO)は20年以上前に「同性愛は治療の対象ではない」と表明。国内では10年前に性同一性障害当事者の性別変更が可能になりました。
そして今年1月、三省堂国語辞典の改訂で「愛」の意味が「(男女の間で)好きで、たいせつに思う気持ち」から「恋を感じた相手を、たいせつに思う気持ち」となりました。「愛」は男女の間のものだけではないと、言葉の意味も変化してきているのです。
社会の変化はこれから。九州でも取り組みが少しずつ始まっています。
(西日本新聞 2014年3月29日掲載/小嵒ローマ)